こんにちは!櫻井です。
先日お休みをいただいて、奄美大島に行ってきました!
旅行はもちろん楽しかったのですが、滞在中に行った郷土料理屋のおばあ様の接客がとても素晴らしくファンになってしまい…
今回は、そのおばあ様の接客から学んだ商売で大切な考え方について書いていきたいと思います。
奄美大島とは?
奄美大島は、鹿児島と沖縄本島のほぼ中間にある離島です。
主要な空港からは直行便もあり、羽田空港からは2時間前後で到着します。
面積は沖縄本島の約8割ほどで、島の大部分は森におおわれていて、マングローブ林のカヌー体験ができる場所としても人気です。
また、山間部には奄美大島でしか見られない動植物がひろがり、2021年7月には世界自然遺産にも登録されました。
豊かな自然、透明度の高い海(櫻井史上最高レベル)、独自の文化、そして美味しい島の郷土料理に黒糖焼酎!
せわしない都会から離れてリフレッシュするには最高過ぎる場所でした。
最終日には、水平線に沈みゆく夕日を見ながら、ぼーっと時間を忘れて堤防から竿を垂らし、見慣れない怪魚達を釣り上げました。
そして、釣った怪魚達は近くの居酒屋で捌いてもらい、黒糖焼酎のソーダ割りでいただく…
人として大切なものを思い出させてくれるような、どこか懐かしい感じのする島でした。
おばあ様の接客に感動
この島で、観光客から地元の人まで、さまざまな人で賑わう人気店があります。
奄美市内にある郷土料理屋、喜多八さん(https://tabelog.com/kagoshima/A4605/A460502/46004518/)です。
最終日の夜、ようやく予約がとれて伺うことができました。
ここにいらっしゃったのが、接客が素敵すぎるおばあ様。
僕の隣にいた2人組(日焼の様子から、おそらく地元の方)が、奄美名産の黒糖焼酎をぐびぐび飲んでいると、カウンター越しにおばあ様が一言。
「空酒(からざけ)してるんじゃないの?お漬物でもあがんなさい。」
そう言って、いかにもお酒に合いそうなお漬物を2人に振舞っていました。
その後も、1人で来ていた男性客に、
「さっきこの煮物美味しいって言っていたね。もう少しどうぞ。」
と料理を振舞う。
振舞ってもらった人たちは、みんな驚きと喜びの入り混じる「おーっ!」という声をあげ、たいらげます。
恐らく80歳は超えているであろう(超えていなかったらm(__)m)人生の大先輩であるおばあ様。
満席の店内で1組1組のお客様の状況を見ながら、時折優しく声をかけ、ベストなタイミングで料理を出してお客さんたちをもてなしてくれました。
そして僕のところにも…
最高に美味しい奄美大島のご当地料理と黒糖焼酎に、おばあ様の愛情も加わり、気持ち良~く酔ってきたころ。
とうとう僕の席にも。
「これ、あたしの夕飯用に作った”にがうりみそ”(奄美大島の逸品)だけど、良かったら少しあがんなさい」
「おばあさま~~~~(TT)」
おばあ様の気遣いを直接いただいて、完全にノックアウトされてしまいました。
おばあ様と近江商人の教えの共通点
奄美大島には、古来から海の彼方からやってくる来訪者「まれびと(稀人)」を歓迎しもてなす文化があるそうです。
おばあ様の接客も、その文化がしみついて、お店に来るお客さんを自然とおもてなししてくださったのかもしれません。
そして結果として私のようなファンが増えて、お店は連日超満席。
無償で価格以上のサービスをして一見損をしているようですが、実際にはファンが増え、お店は予約が取りづらい人気店として大繁盛しています。
商売で有名な近江商人が大切にしていた十訓のなかにも、こんな教えがありました。
”紙一枚でも景品はお客を喜ばせる、つけてあげるもののないとき笑顔を景品にせよ”
近江商人は子供のいる家のお客さまには、紙風船などのおまけをつけていたそうです。子供が喜んで親も気分がよくなり、営業や代金回収を円滑に行っていたそうです。
「損して得取れ」にも通じる考え方ですね。
まずは人として大切なこと
私が経営者の先輩に言われてきたのが、「無償で仕事をしてはいけないよ」や「値下げはしてはいけないよ」というアドバイスでした。
おばあ様の接客とは相反するような内容かもしれません。
確かに、モノやサービスを適正価格で売る、というのは自分の提供するサービスの価値を保つために重要なことではあります。
ただ、競合他社が多い業界で抜きんでるためには、「仕事」以前に「人」として、細やかな心遣いを忘れずに、目の前の人に快適に感じてもらうことも大切であると、今回の旅で再認識しました。
ぜひ、みなさまも奄美大島に行って、おばあ様のファンになっちゃってください(^^)