今回は久しぶりに音楽の話題。
最近、3年ぶりにオーケストラでヴァイオリンを演奏する機会がありました。
ここ数年仕事に偏って集中してきたからこそ、久しぶりに演奏することで、色々感じることがあったので、今回そのことを書いてみたいと思います。
●オーケストラで演奏するって難しい
オーケストラ(以後、「オケ」と表記)は曲の編成によって人数が異なりますが、1曲に参加する人数は40名から150名ほどの範囲で増減し、80名程度であることが多いです。
構成員は「弦楽器」「木管楽器」「金管楽器」「打楽器」の4つに分けられます。
本番に向けて、ざっと下記の流れで練習を積んでいきます。
1. 個人練習
自分のパートの譜面を弾けるようにする
2. パート・セクションごとの練習
パート・セクションごとに演奏の仕方や方針を決めていく
3. オケ全体の練習
他パートとの音のバランス等を調整しオケ全体の演奏方針を決めていく
4. 指揮者とオケの目指す音楽のすり合わせ
指揮者に演奏の方向性を示してもらいオケとしてまとめていく
5. 本番
ソロのように自分だけ出来ていれば良いわけではないですし、「誰かがきちんと出来るだろう」と他力本願で臨むわけにもいかないのです。そして、これだけの工程を経て、本番はたった一度きりで練習の成果を発揮しなければいけません。最後はメンタル勝負です。
●それぞれの特性を生かしつつ歩み寄り合いながら作る
オケの難しさでありつつ、面白さでもあるのが、それぞれ特性の全く異なる各楽器が一緒に音楽を作っていくことです。
そのことを、指揮者の井上道義先生が見事に表現された言葉があるので紹介いたします。
僕だって目は本当に自由ってわけじゃないし
耳だって本当に自由ってわけじゃないんですよ
犬のように鼻は効かないし
目だって鳥のように見えないわけだから
誰でもきっとあると思います
いろんな障がいが
それを口に出せるってこと
みんなの中で隠さずにいられるっていうことが
自由なことだと思う
ある楽器によっては大きな音がでないし
ある楽器はちっちゃな音がでないし
ある楽器には早い音形ができないし
それみんなできないわけ
みんな自由じゃないわけ
それが集まってるのがオーケストラだから
オーケストラっていうものと生きるっていうことは
すごく社会の中で生きることと同じなのね
本当にそうだなと感じます。
例えば同じ弦楽器ひとつとっても、一番小さなヴァイオリンは弓を弦にあてたらすぐに音が出る(=発音がしやすい)が音は小さい、一方で一番大きなコントラバスは発音はしづらいですがその分大きな音がでます。それぞれ特性も違い、求められていることも違います。つまり、役割が違います。
そのそれぞれの楽器の役割の違いを踏まえた上で、相手の特性を理解しつつ、一緒に同じものを作り上げていくのが、オーケストラなのです。
●オーケストラで演奏することは社会で生きること
こう書いていると、オケで演奏することは、仕事で他人と協力していくことにも似ているなぁとしみじみ感じます。
また、オケでもあるのですが、楽器を弾く人の性格も様々なので、指摘する際の言い方とかもデリケートに扱わなければいけない人や、「自分が正しい」となかなか自分のスタイルを曲げられない人も、います。けれども、全体のために伝えなければいけないときもあります(笑)
ここまでオケの大変な面ばかりを書いてしまったような気がしますが、これらの過程を経て、全員が個人としても全体としても納得のいく演奏を成功させたときの達成感はひとしおです。演奏会後のビールが一番美味しいかもしれません。
●いくつになっても続けるぞ
最近3年ぶりにオケに参加しましたが、同時に考えることも気を遣うことも多く、身体も頭もフル回転だったので、えらく疲れて帰宅後バタンキューでした。
ただ、本番の際の熱気も久しぶりに感じ、興奮しっぱなしでした。ヴァイオリンは、ありがたいことに、楽器を構えられる限り弾き続けられるので、一生の趣味にしていきたいと思います。
最後に、以前参加したオーケストラの映像を添付します(^^)
このときも、かなりの時間を費やして練習し、とても達成感のあるコンサートでした。
https://www.youtube.com/watch?v=J7s4WsfgKAA&list=WL&index=6&t=2525s
僕のライフワークです!