最近年齢のせいか、
周りで結婚や出産をする方が一気に増えてきました。
自分の将来のためにも、
出産のためお休みしたときに受け取れる給付金についてまとめたいと思います。
まず、出産に関係して受け取れる給付金は主に以下の2つです。
※育児に関する給付はまた別にあります。
【1】出産育児一時金(家族出産育児一時金)
目的:出産にかかる費用の負担軽減
金額:一律(1児につき42万円)
【2】出産手当金
目的:出産により働けなくなり、収入が減少してまう女性に対する生活補償
金額:本人の勤務時の給与額をもとに算出し、金額は一律ではない
女性が安心して出産できる体制を整えるという広義の目的は共通していますが、
何の費用をサポートするのかという狭義の目的は異なります。
出産を経験している周りの方からよく受ける質問は、ズバリ、
「結局出産手当金っていくらもらえるの?」
というものです。確かに生活に関わるので、気になりますよね。
そこで今回は、受け取る額面の金額を6段階に分け、
手取りで受け取る金額を、
(A)給与として受け取る場合
(B)出産手当金として受け取る場合
でシミュレーションして比較したいと思います。
前提条件:
※東京都在住
※介護保険料対象外(40歳から64歳の方は介護保険料の対象となります)
※住民税考慮せず
※協会けんぽ加入
※扶養親族0人
※所得税甲欄で計算
※1月単位で比較
(A)給与として受け取る場合
額面 | 社会保険料合計 | 所得税 | 手取り額 |
100,000円 | 14,103円 | 0円 | 85,897円 |
150,000円 | 21,577円 | 2,150円 | 126,273円 |
200,000円 | 28,770円 | 3,770円 | 167,460円 |
250,000円 | 37,371円 | 5,200円 | 207,429円 |
300,000円 | 43,155円 | 6,750円 | 250,095円 |
350,000円 | 51,756円 | 8,250円 | 289,994円 |
(B)出産手当金として受け取る場合
今回、計算式や支給可能期間については省きますが、詳細は以下のサイトから確認可能です!
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31712/1948-273/
額面 | 1日あたりの支給額 | 暦日30日の月の手取り額 | 暦日31日の月の手取り額 |
100,000円 | 2,178円 | 65,340円 | 67,518円 |
150,000円 | 3,333円 | 100,000円 | 103,333円 |
200,000円 | 4,445円 | 133,340円 | 137,785円 |
250,000円 | 5,778円 | 173,340円 | 179,118円 |
300,000円 | 6,667円 | 200,000円 | 206,667円 |
350,000円 | 7,555円 | 226,660円 | 234,215円 |
いかがでしょうか。
産休期間中は社会保険料が免除となるため、支給額がそのまま手取り額となります。
やはり手取り額は出産手当金よりも給与としてもらう額の方が多少大きくなるようです。
ちなみに、この日本の出産時の体制、
最近大統領選挙でも話題となったアメリカと比べるとどうなのでしょうか?
「大国アメリカのことだから進んでいるのだろう」と思っていましたが、そういう訳でもないみたいです。
アメリカの場合、家族・医療休暇法(Family and Medical Leave Act:FMLA)という仕組みがあります。
この仕組みは、12週間の休暇後に職場に復帰できることを保証するだけであり、給与の補償はありません。
そのせいで、多くのアメリカ人女性は経済的理由から出産後数週間という早いタイミングで仕事復帰している現状のようです。
※日本は育児休暇を合わせると子どもが1歳になる前日まで給与補償される制度があります。
州レベルでは徐々に改善はされているものの、まだまだこの点は日本の方が進んでいると言えると思います。
ただ一方で、アメリカでは、福利厚生として休暇や給与を補償する企業が増えています。
以下に、一部例を挙げます。
Jonson & Jonson | 母親に15週間(帝王切開の場合は17週間)、父親に8週間の産後有給休暇を提供。 |
16週間の産後有給休暇(母親、父親、養父母)を提供。出産時に4,000ドルの一時金支給。 | |
Netflix | 両親共に産後1年間の休暇が全額支給で一年間受けられる制度 |
母親に20週間、父親に10週間の産後有給休暇を提供。 |
すごいですね。特に、補償内容を見て気づくのがどの企業も【男性】に対しても休暇を付与していること。
「男性が働き女性が子育てをする」というステレオタイプから脱する動きが日本よりも強く感じられます。
今後はより一層社会はジェンダーフリーになっていくはずですので、
こういった取り組みは日本の各企業も見習えることがありそうです。