会社の経費の中で大部分を占めるのが人件費であり、
多くの経営者の頭を悩ませています。
「経費削減=人件費削減」と考えているため、
・従業員を減らしたい
・自分の力でできるから従業員は要らない
と嘆く経営者の方も多くいる現状です。
ただ、一概に「人件費=経費」とは
言えないのではないでしょうか。
そう考える理由をお話します。
もし、あなたが自分の個人資産を増やしたい場合、
以下の方法を取るかと思います。
(1) 支出を減らす
(2) 収入を増やす
(3) 資産を運用する(投資)
つまり、
無駄な支出を減らし、
働いて収入をできる限り増やし、
投資にお金を回す
ということを実践します。
これは、会社の資産を増やすためにも同じことが言えます。
ここでポイントとなるのが、
「人件費」がどの項目に入るのかです。
「人件費は経費だから(1)の支出じゃないの?」
と安直に考えるのは危険です。
重要なのは、
あなたが人件費として割いているお金が、
実態として「経費」となっているのか?
それとも「投資」となっているのか?
です。
この考えを実践するための方法を紹介したいと思います。
■1人あたりの売り上げ目標を明確に決める
社労士業界においても、
その会社(事務所)の評価を行うひとつの基準として、
「事務所の規模(人数)」を見られることが多いです。
確かに、その会社(事務所)のバランスシートや
損益計算書を見ることはできないので、
仕方のない判断方法なのかといえます。
しかし、この評価方法はあまり信用できません。
人数ばかりが膨張している可能性があるからです。
年商1億の会社でも、以下のパターンが考えられます。
A社:1人あたりの売り上げが200万円×50人の会社
B社:1人あたりの売り上げが1,000万円×10人の会社
会社規模だけを見ると、
「50人の会社?すごい!」となりそうですが、
明らかに、会社として優秀なのはB社でしょう。
つまり、例えば年収500万円で従業員を雇用している場合でも、
その人件費はA社では経費となり、B社では投資となっています。
実際に、私が知っている社労士法人の代表の方も、
【従業員1人あたり1,000万円】という売り上げ目標を
入社当時に伝え、多くの社員が達成し、
圧倒的な成果を残されています。
では、話を戻します。
「経費削減=人件費削減」と一言で言っても、
人件費は経費にも投資にもなり得ます。
経費となってしまっている場合には削減は効果的ですが、
もし投資となっている場合には会社の成長を止めかねない
愚かな判断にもなりかねません。
できる限り、「投資」と呼べるほどの従業員を雇い、
人件費に資本を投下してみましょう。