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【クリニック労務】非常勤スタッフの有給休暇ってどう管理する?

【クリニック労務】非常勤スタッフの有給休暇ってどう管理する?

「非常勤スタッフに有給ってあるんですか?」
これは、私たちがクリニックの先生方からよくいただくご質問です。

結論から申し上げると、あります。
しかも、条件を満たせば法定通りに付与する「義務」があります。

更に、この質問をいただく場合は、そのほとんどがスタッフから(時には感情を乗せての)質問を受けてのご相談のため、トラブルの種であるケースが多いです。

どうしても医療業界には丁稚奉公的な側面も残っており、先生方からすると「そもそも自分が若手の時代は有給休暇などなく、患者様のために身を粉にして働いていた!」となかなか受け入れ難いこともあるかもしれません。

ただ、個別のクリニックのルール以上に守るべき「法律」に定められている限り、「自分のときは」「知らなかった」では済まされません。
そこで今回は、有給休暇のルールと実務管理について解説していきます。

■有給休暇(常勤の場合)

労働基準法では、雇用形態を問わず、一定の条件を満たした労働者に年次有給休暇を付与することが定められています。

常勤スタッフの具体的な付与日数は下記表をご覧ください。

厚生労働省のリーフレットより

・雇い入れ日から6か月間継続勤務している
・全労働日の8割以上出勤している
という条件を満たしている場合に、上記日数の有給休暇が発生します。

■有給休暇(非常勤の場合)

非常勤スタッフの有給付与日数は「比例付与」という仕組みで決まります。
非常勤スタッフの場合は、その勤務日数に応じて比例的に有給休暇が与えられるルールになっています。

具体的な付与条件は下記表をご覧ください。

厚生労働省のリーフレットより

この表からもわかる通り、条件を満たしている場合には、たとえ週1日勤務の非常勤スタッフでも有給休暇が発生するのです。

先生方からすると「あの職員はほとんど出勤していないから有給休暇はあるはずない」という方でも、意外と対象になることがあります。

■よくある誤解とそのリスク

以下はよくある誤解です。

「パートは有給なしで契約しているから大丈夫」

☞ 労働基準法は契約内容より優先される法律です。つまり、たとえ就業規則や雇用契約書に「有給なし」と記載していたとしてもその部分は無効となり、法律が優先されます。
したがって、法律上対象になる方は、例外なしに対象となります。

「有給休暇を取らせなければ、辞める時に精算しなくていい(失効させれば良い)」

☞ 未消化の有給休暇は買い取り義務はないですが、請求があれば与える必要があるため、退職直前にまとめて取得されることもあります。
原則的に、有給休暇を取得を希望された場合には、拒否することはできません(労働者の権利)。

■管理のポイント:実務で押さえるべき3つのこと

① 勤続期間のチェック
入職日と勤続6か月を記録・把握しておきましょう。

② 出勤率の計算
「全労働日の8割以上出勤」は、直近6か月の予定日数に対しての出勤割合で判断しましょう。

③ 有給残日数の把握と通知
スタッフとクリニックの認識を合わせるためにも、年に一度は、有給休暇の残日数を本人に伝えるようにしましょう。

上記3項目を、先生ご自身が管理することは非常に手間となるかと思います。
本業だけでも多忙な中で、有給休暇をひとりひとり管理する余裕はありません。
そこでここ最近では、有給休暇の管理までを当社にお任せいただくケースがほとんどです。

先生方に有給休暇の取得状況を一覧でお伝えすると同時に、スタッフには給与明細書に消化日数及び残日数を毎月記載してあげるため、皆様安心してくださいます。

■最後に

クリニックでは、「有給休暇があること自体、誰も知らなかった」というケースも少なくありません。
未だにそのような状況であるクリニックも実はまだたくさんあります。
しかし、離職率の高い医療業界だからこそ、スタッフにできるだけ長く働いてもらったり、そもそも採用に強いクリニックであることが重要です。
そのためにも、まずは有給休暇の制度を整えてあげることが、「働きやすい魅力的なクリニック」の第一歩になるかと思います。

まずは「今の管理方法で問題がないか」をチェックしてみましょう!
自身で判断が難しい場合には、お気軽にご相談ください。

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