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社労士資格を目指すべきか?(20代~30代向け)

社労士資格を目指すべきか?(20代~30代向け)

こんにちは。
櫻井です。

最近、社労士試験を目指そうと考えている社会人1年目の方に相談を受ける機会がありました。
その方は、いわゆる五大商社に勤めるような優秀な方です。

なぜ社労士を目指そうと思っているのか尋ねると、「自分は、営業バリバリではなくバックオフィスで支える方に適性があるので、人事のプロフェッショナルを目指すことにした。その為にも社労士資格を取るべきと考えている。20代の内に(専門性を身に着けて)選択できる力をつけたい!」と仰っていました。社会人1年目でそこまで自分のキャリアプランを戦略的に考えていることに感心しました。

最近、社労士講師業も行っている関係で、社労士の資格を目指すかどうか迷っている方からの相談を受ける機会が増えており、質問には共通点があるなと感じます。そこで今回は、目指す動機・理由という切り口から多くの受験者を見てきてわかったことをまとめてみたいと思います。

なお、年齢によってその人の置かれる状況も変わるため、目指す動機・理由も変化していくと考えています。今回は、社会人経験がまだ浅く、これからどういうキャリアを進むかを選択しやすい、主に20代~30代向けの内容となっています。社労士資格に限らず、これから何か資格を目指す方の参考になれば幸いです。

まず、社労士試験を目指している人は2つの属性に分けられます。

1. 社労士の資格を目的とする
2. 社労士の資格を手段とする

それぞれについて、実例でみていきます。

1. 社労士の資格を目的とする

会社で人事部に配属された
→人事労務の仕事に触れる中でもっと専門的な知識をつけたくなった
→せっかくなので資格という分かりやすい形で目指そう!(資格手当もGET)

この属性の方から相談を受けることも多いです。
その向上心は素晴らしいですし、昇進や昇給を目指しているのであれば、効果的に働くと思います。
ただし、ひとつ知っておくべきことがあります。それは、社労士試験の勉強内容の内、実務に関わってくるのはほんのわずかだということです。正直、体感で10%にも満たないと思います。したがって、実務のスキル向上を目的に社労士を目指すとなると、目的を見失い資格勉強中に挫折…という方も正直多くいるのが現実です。そのことをきちんと理解した上で目指していただきたいです。

2. 社労士の資格を手段とする

会社で営業職に配属された
→努力をしておりボーナスはある程度もらっているが、満足はしていない
→努力したらその分評価される働き方をしたい
→手に職をつけよう
→社労士の資格をとって独立を目指そう!

「手に職をつけよう」から社労士を選択することにやや飛躍があるように思われるかもしれませんが、20代~30代で社労士を目指すことは数字で見てもある程度理にかなっています。
例えば、社労士資格の合格率のここ最近の推移をみてみます。

年度合格率
令和3年度 7.9%
令和2年度 6.4%
令和元年度 6.6%
平成30年度 6.3%
平成29年度 6.8%
平成28年度 4.4%
平成27年度 2.6%
(参考:社会保険労務士試験オフィシャルサイト)


わずかに上昇傾向ではありますが、いずれも10%を切っており、難関試験であると言えます。

次に、登録社労士の年齢別構成割合をみてみましょう。

(参考:社会保険労務士白書)


登録社労士の平均年齢は55.3歳で、20代で登録している社労士はたったの0.4%しかいないのです。30代と合わせても、8.5%と1割にも満たない割合です。この数字を見ると、若くして社労士資格を取ること自体が他との差別化になっているといえます。社労士の知名度が低いこともあるかと思いますが、20代~30代は労働時間も長く、なかなか仕事終わりや休日を勉強に充てる人も少ないのが影響していると思われます。このように参入障壁が高い時点で、若いこと自体がひとつの強みにもなり得ます。(もちろん、「若い=未熟」と思われ苦労することも多いですが…^^;)

以上のように、社労士資格を目指す上で、その動機は社労士資格を「目的」とするか「手段」とするかに分かれます。どちらの方が良いという話ではないので、その人ひとりひとりの状況や将来像に基づいて決めたら良いのかなと思います。ただ、一定期間(短くても1年間)優先順位MAXで集中する必要はあるので、目指す理由をバチっと決めて望むべきです。

ちなみに、冒頭に出てきた「20代で選択できる力をつけたい」と仰っていた方は、よくよく聞くとその選択というのは、「今の会社で上を目指すこともできるし独立することもできる状態」を指していることがわかりました。そこで、その方には「2. 社労士の資格を手段とする」の話をし、背中を押してきました(^^)

最後に…
2018年に社労士合格者最高齢が更新されました。その年齢は、84歳です。
30代の方でも「最近記憶力が低下していて覚えられない…」と弱気になる方がたまにいますが、その84歳の方の前ではすべてが言い訳になってしまいますね。

かっこいいおじいちゃん、目指します!

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