最近、ニュースやネットで「デジタル給与(賃金のデジタル払い)」という言葉をよく見かけませんか?
これは、毎月のお給料を銀行口座ではなく、みなさんが普段使っている「PayPay」や「d払い」といったスマホの決済アプリに直接振り込めるようになる制度のことです。
国による安全性の審査をクリアしたキャッシュレス決済会社が出揃ってきたことで、2026年は、企業が『給与のデジタル払い』を本格的に動き出すタイミングを迎えています。
「うちの会社も対応しなければいけないの?
「手続きやリスクはどうなる?」
といった疑問について、実務目線で分かりやすく徹底解説します。
【そもそも、デジタル給与は義務化されるの?】
結論から申し上げますと、会社への導入義務はありません。
「うちの会社は今まで通り銀行振込だけでいく」という方針であれば、無理に導入する必要はありませんのでご安心ください。
あくまで「社員が希望した場合の選択肢」として、会社が取り入れてもいいですよ、という制度になります。
しかし、ITリテラシーの高い若手社員の採用や、銀行口座の開設が難しい外国人労働者の雇用において、他社との大きな差別化になる便利な選択肢として注目を集めています。
【もし導入するなら?実務で押さえる「3つのステップ」】
もし「うちの会社でも使えるようにしよう!」となったり、従業員から要望があったりした場合は、次の3つの手続きが必要になります。
(1)労使協定の締結
会社が勝手に「来月から全員デジタル給与にします」と決めることはできません。
実務を進めるにあたって、まずは「利用できる決済アプリの種類」や「対象となる従業員の範囲」などを明確に定めた労使協定(法律で認められた制度を利用するために、会社と労働者の双方合意のもと取り決めるルール)を締結する必要があります。
(2)希望する社員から、一人ずつ「同意書」をもらう
大前提として、「給与は現金や銀行振込でもらう権利」が法律で守られているので、会社がデジタル給与の受け取りを強制することはできません。
必ず「希望する人だけアプリで受け取れるようにする」という形をとり、一人ひとりから書面で同意をもらう必要があります。
(3)決済アプリの残高上限の確認
デジタル給与をチャージできる口座(アプリ)の残高上限は、法律により「100万円」と定められています。
もし給与やボーナスが100万円を超えてしまう場合は、超えた分を自動的に社員の銀行口座へ振り替える設定が必要になります。
給与額が多い社員がいる場合は、少し注意が必要なポイントです。
【気になるコストやトラブルの対策は?】
最も気になるのは、毎月の振込の手間とコストです。
・振込手数料はどうなる?
従来の銀行振込と同様に、デジタル給与の送金にかかる手数料も「会社負担」が原則です。
指定業者(アプリ会社)によって手数料の設定が違うため、導入時には慎重なコスト比較が必要となります。
・アプリ会社のシステム障害や破産リスク
国の指定を受けている業者は、万が一破産した場合でも数日以内に全額が弁済される厳しい保証仕組みが義務付けられています。
そのため、従業員の給与が全額失われるリスクは極めて低いです。
しかし、給与支払日にアプリ側のシステム障害が起きる可能性はゼロではないため、システム障害が発生した場合の代替の支払い手段などは、社内で事前にマニュアル化しておくと安心です。
【あとがき】
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回はスタッフの原よりお届けいたしました。
少しだけ自己紹介をさせていただきますと、最近のマイブームは「美味しいスイーツ巡り」です。
休日に話題のカフェやお店に足を運んで、甘いご褒美スイーツを堪能するのが何よりの癒しの時間になっています。
特に、丸の内にある『ショコラティエ パレ ド オール』というお店の「モンブランショコラ」が本当に美味しくてお気に入りです!
濃厚なチョコレートと栗の優しい甘みが絶妙にマッチしていて、食べているととても心が満たされます。
美味しいケーキを味わいながら、ゆっくりと流れる時間がとても好きです。
皆様におかれましても、日々の業務でお忙しいことと存じますが、時にはホッと一息つける時間も大切にされてください。
法律や実務はどんどん新しく変わっていきますが、皆様にいつでも安心していただけるよう、これからも分かりやすく丁寧な情報発信を心がけてまいります。
これから夏に向けて暑さも厳しくなりますので、どうぞ皆様ご自愛ください。
どうぞよろしくお願いいたします。